石油と世界 2016 4 24

書名 結局、世界は「石油」で動いている
著者 佐々木 良昭  青春新書

 結局、世界は「石油」で動いている。
そして、「石油」をめぐって戦争が起こる。
 石油は、人類にとってエネルギー源にもなるが、
戦争にとってもエネルギー源となる。
 資源小国の日本は、
原油の80%以上を中東に依存しているので、
中東情勢が不安の原因になるでしょう。
 さて、この本で、興味深いところを引用しましょう。
著者によると、石油と天然ガスは、同じようなもので、
地下において液体で存在しているか気体で存在しているかの違いだと言う。
そうすると、石油と天然ガスとまとめて考えればよいので、シンプルになります。
 さて、日本では、「アラブの春」というと、
民主主義運動として伝えられていますが、
そこに石油が絡んでいることは、あまり報道されませんでした。
 実は、同じ原油でも、その質には、雲泥の差があります。
よく言われるのが、原油には、軽質から重質まであると言いますが、
さらに、超軽質や超重質まであります。
 そういうわけで、原油は、埋蔵量が問題ではなく、
その質が重要です。
 だから、いくら埋蔵量が多くても、
大半が重質だとすると、その価値は低いものとなります。
 ところで、リビアの原油は、きわめて良質で、
エネルギーとしてだけでなく、
軍事用途としても、大変貴重なものだとされます。
だから、世界は、リビアを注目するのです。
 リビアの原油は、
硫黄分や重金属分が非常に少ないため、
高性能のカーボン繊維の製造に適していると言われ、
カーボン繊維は、ジェット戦闘機やミサイルのエンジンの噴き出し口などで使用されていて、
その用途から品質の高さが求められるものとなっています。
 結局、世界は「石油」で動いていて、
そして、「石油」をめぐって戦争が起こるのです。

Go to a hill 2016 3 20

 核兵器開発疑惑による経済制裁が解除されて、
イランから「ペルシャじゅうたん」が輸入できるようになると言われています。
 私も、「ペルシャじゅうたん」のデザインを眺めるのが好きです。
日本でも「ペルシャじゅうたん」の展示が始まるかもしれません。
 さて、日本では、核問題による経済制裁が解除されたイランに関するニュースは、
「やっと平和がやってきた」というような平和を象徴する報道になっています。
 確かに、イランとの貿易は魅力的なものとなるでしょう。
しかしながら、これが危機の始まりとなるのです。
 イランと敵対するサウジアラビアから見れば、
このようなニュースは、「不愉快だ」と思います。
 サウジアラビアとしては、
原油の決済通貨をドルにすることで、
長年、アメリカに対して忠誠心を示してきたのに、
このようなニュースを目にすると、
「アメリカに裏切られた。アメリカがイランに行ってしまった」と思いたくなります。
 サウジアラビアが、原油の決済通貨をドルから他の通貨にしてしまえば、
ドルは、基軸通貨から転落します。
 もちろん、通貨の流通量を考えれば、
基軸通貨は、ドル以外には考えられません。
 しかし、原油の決済通貨は、徐々に、ドル以外の通貨が増えてくるでしょう。
そして、アメリカ国債の売れ行きが徐々に悪くなるでしょう。
 こうした「アメリカの浮気」に、
チャンスと見た中国やロシアがサウジアラビアに入ってくるでしょう。
 ところで、日本では、ハルマゲドンとは「大惨事」のことを連想するでしょうが、
これは、間違いです。
 ハルマゲドンとは、中東にある「地名」のことです。
ある日になると、ハルマゲドンという土地に王たちの軍隊が集められ、
そこで、世界最終戦争が繰り広げられるのです。
そして、現文明は終わり、新しい文明へ移転します。




























































































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